職場の従業員の過半数が一度に辞める場合

退職代行コラム

Q.
職場には従業員は5人しかいませんが、
上司の不満について同僚間で話していたら、
3人一緒に辞めようかということになりました。
一度に3人が退職代行を利用することはできますか?

A.
可能です。

【解説】
職場の従業員の過半数が一度に辞めようというのですから、
使用者側としてはその事業活動に重大な支障が生ずる可能性があり、
大変な混乱が予測されます。

ですから、出来れば使用者側と協議のうえ、
円満に退職されることがおすすめです。
もちろん、使用者側との協議についても、
弁護士が代行することができます。

例えば、引継ぎも一切せずに明日から辞めるとなると、
使用者に対して損害賠償責任を負うこともあります。

しかしながら、雇用契約に期間の定めがあるかどうかを問わず、
専ら退職しようとする理由が「法的に正当な事由」として認められる場合であれば、何ら賠償責任を負うことなく直ちに退職できます。

「法的に正当な事由」は、
① 雇用契約が継続することが不当、不公正と認められる場合であり、例えば、天災・地変による就労不能、使用者の賃金不払、労働者が負傷、疾病により就労不能になった場合(なお、民法628条は雇用契約に定めのある場合だけでなく、定めがない場合も適用されるものと解されています(大判T11.5.29)。)

② 労働者が雇用契約にあたり知らされていた賃金の額、
労働時間等、重要な労働条件が事実と異なっていた場合(労基法15条2項)に肯定されます。

なお、仮に「法的に正当な事由」が認められず、
労働者に損害賠償責任が認められる場合であっても、
本件でいえば、3人が共謀してことさらに使用者側に損害を与える目的をもって即時に辞めた様な場合でない限り、損害額が高額になることは考え難いです。

したがって、使用者側から法的手続を執ってまで労働者を訴えるようなケースはほとんどないと思われます。

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