小さな店舗を一人で任されている場合

退職代行コラム
Q.
飲食店に勤務しています。小さな店舗を一人で任されていて、
調理や接客も自分一人でやっています。
すぐにでも退職したいのですが、退職代行を利用することは可能ですか。
A.
可能です。
【解説】
例えば、明日から辞めるとなると使用者としては、
一時的にせよ店舗を休業せざるを得なくなり、
使用者から休業損害の賠償請求をしてくることが予想されます。
ですから、紛争予防の観点からは、
使用者との間で協議のうえ円満に退職することが望ましいといえます。
もちろん、使用者との協議についても弁護士が担当することも可能です。
しかしながら、雇用契約に期間の定めがあるかどうかを問わず、
専ら退職しようとする理由が「法的に正当な事由」として
認められるのであれば、直ちに退職しても問題ありません。
この場合は、使用者から損害賠償請求が認められるリスクはありません。
「法的に正当な事由」は、
① 雇用契約が継続することが不当、不公正と認められる場合であり、
例えば、天災・地変による就労不能、使用者の賃金不払、労働者が負傷、疾病により就労不能になった場合(なお、民法628条は雇用契約に期間の定めのある場合だけでなく、定めがない場合も適用されるものと解されています(大判T11.5.29)。)。
② 労働者が雇用契約にあたり知らされていた賃金の額、
労働時間等、重要な労働条件が事実と異なっていた場合(労基法15条2項)に肯定されます。
本件では、例えば、もともと店舗には複数の従業員がいたのにいつの間に
か一人となり、一人で店舗を運営するために健康を害するまでに過重労働となっていたり、または、残業代を支払ってくれない等の事情があれば、「法的に正当な事由」ありとされる一つの場合に当たります。