刑事事件を起こし自宅待機をしている場合
退職代行コラム
Q.
刑事事件を起こして、会社から自宅待機を命じられました。
その状態で退職代行を依頼することが出来ますか。
A.
依頼できます。
【解説】
1 自宅待機の法的性質
刑事事件を起こしてしまった場合の「自宅待機」とは、
使用者の業務命令により刑事処分が決定するまでの一定期間、
自宅での待機を労働者に命じるものです。
自宅待機の期間に使用者は懲戒処分を検討することになります。
2 業務命令としての自宅待機の間の給与は請求できるか
一般的に、使用者が労働者に対して賃金全額の補償をするのであれば、
業務命令としての自宅待機の正当性は問われません。
しかし、労働者が刑事事件を起こしてしまった場合の自宅待機については、当該業務命令に「不正行為の再発、証拠隠滅のおそれなど緊急かつ合理的な理由が存在する場合でない限り、賃金支払請求権は失われない」ものと解されます(名古屋地判H3.7.22)。
したがって、刑事事件を理由として自宅待機を命じられた場合、
この間の賃金が支払われるべきかどうかについては、
当該刑事事件の内容によって個別具体的に判断されることになります。
3 自宅待機中の退職について
自宅待機中も雇用契約は継続していますので、
通常の場合と同様に退職代行は可能です。
刑事事件を起こしたことが懲戒事由に該当する場合、
退職金の支給など労働者に不利になることがありますので、
まずは就業規則を確認してください。